症例8:耳鳴り、頭痛、聴覚過敏

患者 67歳 女性 主婦 多摩市

主訴と併発症状(耳鳴り、頭痛、聴覚過敏)

15歳の時に左耳の鼓膜に穴があき、17、18歳の時に中耳炎を繰り返し入院して、19歳の時に大学病院で鼓膜の手術をしました。

 

21歳の時に交通事故で、脳出血、ムチウチ、全身打撲で3ヶ月入院し、6ヶ月も休職したそうです。

また、41歳、52歳の時にも交通事故を起こし、ムチウチや手首の骨折をされました。

 

55歳の時に鼓膜の形成手術を再び大学病院で行い、57歳の時には、頭痛が酷く脳神経外科でCT検査をしましたが、異常は無かったそうです。

 

この患者さんは、10代から鼓膜が損傷し、耳の病気で入院や手術を行ってきました。

また、交通事故の経験も多くて首(頸部)ダメージがよくあったようです。

21歳時の交通事故では、脳に関する出血もあり3ヶ月も入院しましたが、重症な後遺症はなかったのは幸いです。

 

来院する3~4年前位から、頭痛や耳鳴りが頻繁に起きるようになて、人が多く混雑した場所や音が大きく聞こえる所に行くと、特に症状が酷くなるようです。

 

現在も通院しながら、漢方薬を中心に処方されて服薬していますが、特に目覚しい改善はみられないとのことです。

 

重篤なアレルギーはありませんが、花粉症はあるようです。

自律神経の所見メインデータ

経絡(ツボの流れ)ごとの自律神経を測定してみると、平均値(ミドリ線)の数値が低いことから過労な状態が伺えます。

患者さんの悩まれる症状である頭痛、耳鳴り、聴覚過敏などと関係が深いと思われる経絡(ツボの流れ)の自律神経としては、三焦経、小腸経、腎経、胆経などがあります。

三焦経の自律神経データからみる症状

三焦経は、からだの水分をコントロールする経絡です。

腹部、上肢、頸部、頭部をめぐってリンパと関係が深く、耳や粘膜と関連しています。

 

三焦経の自律神経数値が高い(興奮)している場合の症状としては、小便や発汗の異常、肩甲部や上肢のこり・痛み、粘膜の異常、耳鳴り、難聴、めまいが上げられます。

 

これは、患者さんの悩む症状とも合う自律神経の乱れによる不調なので、調整していく必要があります。

 

東洋医学の三焦経(六腑)について詳しくはクリック

小腸経の自律神経データからみる症状

小腸経も腹部から頭部にかけてめぐる経絡(ツボの流れ)で、関連する器官としては、耳、頭部、肩、上肢となります。

 

今回の数値では少し高め(興奮)ではあります。本来なら気にするほどの異常ではないかもしれません。

しかし、小腸経の興奮時の症状として、頭痛、頭重があるので患者さんの症状を改善させる経絡として調整したほうがよいでしょう。

 

東洋医学の小腸経(六腑)について詳しくはクリック

腎経の自律神経データからみる症状

腎経は、副腎をはじめとした内分泌(ホルモン)に関連が深い経絡(ツボの流れ)になります。

 

東洋医学の腎には、生命エネルギー(腎精)を蓄える役目があり、腎精が衰えると、足腰の冷え、精力減退(元気がない)、易疲労(疲れやすい)、集中力が続かいない、根気がないなどの症状が発症しやすくなります。

 

また、東洋医学の五行論の関連では、腎は五官の耳と関連していて、腎経の低下(抑制)では耳の異常も症状として表れます。

患者さんの耳鳴りの症状を改善するには、腎経の調整は欠かせない経絡です。

 

東洋医学の腎について詳しくはクリック

胆経の自律神経データからみる症状

胆経は、副交感神経と関わりが深い経絡(ツボの流れ)になります。

副交感神経は、からだがリラックスする時に働く自律神経です。

 

胆経が衰えているということは、からだが上手にリラックスできない状態にある場合があります。

それは、肉体的な場合、精神的な場合、両方の場合もあります。

 

関連する器官としては、眼、耳、頭部、筋肉となります。

精神的(メンタル)症状としては、気が小さい、気疲れする、眠りが浅い、熟睡できないなどがあります。

今回の場合は、肉体的な症状で胆経調整するというよりは、精神的(メンタル)症状の改善の為に選んだほうが良さそうです。

 

東洋医学の五臓六腑について詳しくはクリック

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自律神経専門治療院
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