わかりやすい東洋医学の未病とは?

検査結果に異常があらわれない限り治療ができない現代の医学と比べて、東洋医学では、「異常なし」という検査結果でも未病という状態と考えて、治療をおこないます。

 

病気として発症するリスクを、事前の未病という段階で治療をすることで、病気を未然に防ぐことができるのです。

 

この未病という概念は、東洋医学独特のものです。

現代医学の検査では異常は無いけど、病気の1歩手前の状態、つまり健康と病気の中間の状態を未病と考えていると思っていいでしょう。

 

頭痛や腹痛、朝起きるのがつらいといった自覚症状があり、めまいや耳鳴り、肩こりといった不定期な不調(不定愁訴)に悩ませれている場合も多いです。

 

また、健康診断では異常が指摘されても、本人は自覚症状がない状態(高血圧、高コレステロールなど)もあり、これらも未病に当てはまると考えています。

健康体から未病、病気へつながるながれ

1、健康体

 西洋医学観・・・検査データ的にも何ら問題なく、病気が見つからない健康な状態。

 東洋医学観・・・気・血・津液がスムーズに巡り、五臓六腑のバランスもよい状態。

 

2、未病(軽度)

 西洋医学観・・・検査のデータ的には問題なく、健康体に属している。

 東洋医学観・・・気・血の滞りなど不調が見られる。食養生を中心に改善を促す。

 *体調不良、不定愁訴などの自覚症状があり、過度の飲酒、喫煙の習慣などがある。

 

3、未病(重度)

 西洋医学観・・・検査データ的には注意が必要な段階ではあるが、まだ病気とは言い切れない状態。

 東洋医学観・・・五臓六腑に変調が見られる。食養生に加えて、漢方薬や鍼灸治療で改善したほうがよい状態。

 *肥満、高血圧、高脂肪、高血糖、高コレステロールなどが気になる状態。

 

4、病気

 西洋医学観・・・検査データ的に異常を示す。病気の段階に入る。

 東洋医学観・・・定期的に漢方薬、鍼灸治療が必要な状態。

 *生活習慣病、高血圧、糖尿病など

 

5、慢性化

 西洋医学観・・・長期的な投薬治療が必要で、副作用の心配もある。

 東洋医学観・・・長期的な治療が必要になる。漢方薬と鍼灸治療を併用していく場合も多い。

*脳卒中、心筋梗塞、狭心症、糖尿病の合併症など

東洋医学の健康な正常値とは

現代医学では、各種検査データの平均値を求めて、あらかじめ一定の正常値という基準を定めます。

 

検査の数値が正常値の範囲内であれば、自覚症状があったとしても医師は病気とはみなしません。

 

一方の東洋医学では、そもそも正常値という概念がありません。

 

四季の移り変わり、時間の経過と共にからだは日々変化していくもの(天人合一思想)であり、人や生活習慣などにより、健康な状態も異なっていると考えます。

 

健康な状態が崩れると、人は未病の状態に傾き、さまざまな自覚症状があらわれてきます。

 

この段階で、治療することが健康を早く取り戻す重要な時期なのです。

まとめ

未病の考え方を少しわかっていただけたでしょうか?

 

頭が痛い、肩のこりが治らない、年中冷え症で悩む、やる気が起きない、不安とイライラで眠れないなど、からだや心に何かおかしい、いつもと違うと感じたら未病の状態かもしれません。

 

「それを、ほっておいても死にやしない」と考える人が多いでしょうが、確かに肩こりや冷えで余命宣告を受けることはありません。

 

しかし、未病の段階で間違いなく、免疫力や自己回復力は低下しています。からだの防衛隊や修理チームの能力が100%ではないのです。

 

人のからだは、丈夫でいろんな試練を乗り越えられるように創られています。

 

多少の不調では、倒れたり、動けなくなったりはしません。

 

しかし、痛みやコリ、倦怠感、不眠、など不定愁訴といわれるものは、なぜ存在するのでしょう?

 

それは、からだからの合図だと私は考えます。

 

人は、クルマや飛行機、電車やロケットを造るときに、センサーやインジケーターという警告を知らせるシステムを作ります。

 

これは、警告が不調、不具合を知らせるものです。そのまま続けたら危険だというサインです。

 

からだの痛みやコリ、倦怠感、不眠などのさまざまな不定愁訴も同じではないでしょうか?

 

「今なら間に合うよ」と知らせてくれる警告サインを、神様が創ったのではないかと思うのです。

 

でも、その警告サインに従うか、従わないかは個人の自由です。

 

警告サインに従ったから、従わなかったらどうなるか、どうなっていたかは明確にできないかもしれません。

 

しかし、未病の段階で治療した患者さんが、明らかに元気になって、体調が健やかになっていく姿をたくさん見ています。

 

なので、治療家としては、警告サインが出ている未病の段階での治療をオススメしないわけにはいかないのです。

 

わかっていただけますでしょうか?

 

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