症例26:肩こり、腰痛、下腹部痛、動悸

患者 30代 女性既婚 会社員

主訴と併発症状(肩こり、腰痛、下腹部痛、時々動悸)

30代の既婚女性で設計のお仕事をされている患者さんです。

肩こり、腰痛は数年前から気にしており、以前ギックリ腰の経験もあるとのことです。

 

下腹部痛は、友人の病気をきっかけに、来院する1、2ヶ月から気になるようになりました。

下腹部の痛みに関しては、病院で画像検査などしましたが、特に異常はないとのことでした。

 

仕事が主にデスクワークのせいか、肩や腰はいつもダルイ感じがしていて、下腹部痛に関しては、日によってある日とない日があるようです。

また、時折胸がドキドキすることがあるとのことでした。

初回の自律神経データ

初回の自律神経測定データを見てみると、24箇所の自律神経データの平均値を示すミドリの2本ラインの下限が約16μアンペアを示し、上限が約34μアンペアを示しています。

 

これは、健康体と考える平均値が40~80μアンペアと考えると、初回の自律神経測定値の平均値としては、低いと言えます。

 

自律神経の平均値が低いと言うことは、代謝機能、基礎体力、免疫力、抵抗力、回復力が低下していると考えます。いわゆる心身共に過労な状態です。

 

では平均値以外、個々の経絡(ツボの流れ)における気になる自律神経は?と言うと、それはH3(心経)、H4(小腸経)、H6(大腸経)と言えます。

 

心経の自律神経低下からの不調症状

H3(心経)の自律神経が低下・抑制↓しているとどんな症状が引き起こしやすいかと言うと、

・動悸

・味覚異常

・舌の異常

・ストレスによる食欲低下

・精神的な疲れ

・不安を感じやすい

などがあります。

患者さんの自覚症状として、動悸はありますし、友人の病気から不安が募り、下腹部のに影響が出たのかもしれません。

小腸経の自律神経低下からの不調症状

H4(小腸経)の自律神経が低下・抑制↓しているとどんな症状が引き起こしやすいかと言うと、

・頭痛、頭重感

・下腹部の異常感(痛み、張り、冷感時に下痢)

・手足の冷え

・まれに、めまいや耳鳴り・難聴

などがあります。

患者さんの下腹部痛と関わりが深いのが、大腸経の不調と考えられます。

大腸経の自律神経低下からの不調症状

H6(大腸経)の自律神経が低下・抑制↓しているとどんな症状が引き起こしやすいかと言うと、

・肩こり

・便通異常(下痢・便秘・腹鳴)

・皮膚の異常(あれや乾き)

・喉の痛みや乾き

などがあります。

患者さんの自覚症状である肩こりはこの大腸経の不調が関わりが深いと思われます。

 

治療5回目の自律神経測定データ

初回からほぼ1週間に1度の間隔で治療を行った5回目の自律神経測定データを見てみると、平均値(ミドリ線)が初回は16~34μアンペアから5回目は30~50μアンペアに上昇し改善が見られます。

初回時に気になっていた、H3(心経)、H4(小腸経)、H6(大腸経)も上昇し改善が見られます。

 

患者さんに最近の自覚症状を尋ねると、腹痛は改善されて、背中のはりやコリが気になる。とのことでしたが、腰痛に関しては気になることは最近はないようです。

 

治療9回目の自律神経測定データ

5回目以降、体調が好調なせいか、患者さんの自己判断で、治療間隔を空けたところ、9回目の自律神経測定データが初回時より低下しました。

 

近況をお聞きすると、生理が終わったばかりであり、日中眠気があり、左右の肩甲骨の間がだるいとのことでした。

 

女性の場合、生理前・生理中・生理直後は、ホルモンの関係で、自律神経のバランスが乱れることがあります。

治療10回目の自律神経測定データ

前回9回目の自律神経データがかなり低下気味だったので、治療間隔をあまり空けずに来院してもらい、測定した10回目の測定データは、平均値が理想的に上昇しました。

 

上半身と下半身の自律神経のバランスもとても良くなっています。

 

自覚症状としては、腰痛、腹痛はなし。

PCのデスクワークが長いせいか、肩甲骨間のコリは多少あるようですが、体調は非常に良いとのことでした。

 

その後は、2週間~1ヶ月の治療間隔でメンテナンス治療にお越しになっておりました。

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