症例28:首・肩・背中の痛み、偏頭痛、めまい、腰痛、不安感

患者 30代 女性既婚 介護職

主訴と併発症状(首・肩・背中の痛み、偏頭痛、めまい、腰痛、不安感)

30代中盤の既婚、子供3人、介護職の女性患者さんです。

お悩みの症状は、首から肩・背中の痛み、偏頭痛、フワフワしためまい、腰痛、不安感とのことでした。

 

来院する半年以上前に、パニック発作を発症し、その後しばらく落ち着いていましたが、3ヶ月ほど前から自動車を運転中に不安感を抱くようになりました。

 

病院は、脳神経外科、内科、心療内科などに行き様々な検査を受けましたが特に異常はなく、心療内科で処方されている抗不安薬を服用されているそうです。

初回の自律神経データ

初診の自律神経を測定したデータを見てみると、平均値(ミドリ線)が約32μアンペア~約52μアンペアとなっており、下限が40μアンペアを下回っていることから、基礎体力、代謝機能、免疫機能が低下気味と言えます。

 

お悩みの症状と関係が深そうな経絡(ツボの流れ)の自律神経としては、H3(心経)、F2(肝経)、F4(膀胱経)といったところになります。

 

また、全体を見てみると、上半身であるH系の自律神経の数値より、下半身であるF系の自律神経の数値が高いことが見て取れます。

これは、自律神経のバランスとしては陰陽逆転現象にあたり、高ストレスが心身に影響しているものと考えます。

心経の自律神経低下からの不調症状

H3(心経)の自律神経が低下していると

関連 臓 器:心臓
関連 部 位:舌 肩
   
動悸(運動時に多く安静時には少ない) 吐き気
まれに味覚・舌の異常  

などの症状が引き起こしやすい状況となります。

 

メンタルな面での症状では、

心配事で食欲がない。精神的な疲れがある。
不安感を感じることが多い

となりますので、身体よりも精神面で関係が深いようです。

 

肝経の自律神経興奮からの不調症状

F2(肝経)の自律神経が興奮している場合の症状としては、

関連 臓 器: 肝臓 生殖器(婦人科)(神経 睡眠)
関連 部 位: 眼 筋肉

筋肉痛・こり(腰,肋間,頚背部)
不眠(寝不足・入眠障害) 眼に異常 めまい・たちくらみ
気分不快(怒りっぽい) まれに肝臓の異常
婦人科(特に月経)の異常

となりますので、お悩みの筋骨格系の痛み症状と関連が深いです。

 

また、メンタルな症状としては、

不眠(寝不足・寝付きが悪い)。気分が不快。
感情の爆発や、怒りっぽい傾向がある。

となりますので、ストレス下で起きやすい症状と言えます。

膀胱経の自律神経興奮からの不調症状

F4(膀胱経)の自律神経が興奮している場合の症状としては、

関連 臓 器:脳 下垂体 神経断区
関連 部 位:後頭部 腰背部 下肢 眼の奥・涙腺

腰痛 首すじから背中への痛み 後頭部の痛み
神経痛や下肢の異常 脳の異常 てんかん 鼻血
まれに眼の奥が痛く感じる 涙腺の異常

などがあります。

やはり筋骨格系の痛みに関係が深いです。

 

メンタルな面での症状は、

気を使うことが続いている。
神経が張りつめていて、過敏に反応する。

となります。

 

治療2回目の自律神経データ

初診から5日後に来院された自律神経データを見てみると、平均値(ミドリ線)は初回時より低下しています。

 

これは、F系の自律神経の数値が低下していることに関係しています。

F系の自律神経では、F1(脾経)、F2(肝経)、F4(膀胱経)が初回時より低下していることがわかります。

 

ストレスによって高かったF系の自律神経が治療によって緩和されたことを表しています。

 

患者さんの自覚症状としても、

不安薬を治療の翌日から服用しないでも大丈夫だった。

めまいはほとんどなく、腰痛も気にならない。

体調は治療後2日後からすこぶる良くなった。

と言われています。

治療6回目の自律神経データ

1週間に1度の割合で定期的に治療して6回目の自律神経測定データです。

平均値(ミドリ線)は大変良い数値を示しています。

 

これまで不調を示していた経絡別の自律神経の改善が見られます。

少しF2(肝経)の自律神経が興奮気味で気になりましたが、近況をお聞きすると、これまでの賃貸住宅から一戸建て分譲住宅に最近引っ越したそうです。

 

引越しは住環境の変化が著しい出来事ですから、自覚がなくても相当な心身にストレスが掛かるものです。

引越しの影響で体調を崩される場合も多いので少し心配です。

治療9回目の自律神経データ

定期的に通院されて9回目の自律神経測定データを見てみると、平均値(ミドリ線)は問題ないレベルにあります。

 

また、H系とF系のバランスもH系がやや高めで、F系がやや低いバランスなのでストレスもあまり多くないように見えます。

少しF3(腎経)が低いので易疲労があるかもしれませんが、深刻な数値ではないでしょう。

 

患者さんの自覚症状としても、時折頭痛などがあるが長く続かず、めまいはほとんどない。

不安感もほとんどないとのことでした。

 

その後、少し治療間隔を開けてもメンテナンスの治療をおすすめしましたが、自己判断でその後来院することが無くなりました。

少し詳しい東洋医学を知りたければ、

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