ストレスとは何でしょうか?

仕事のストレス

ストレスは、目に見えるものではありません。匂いも音も味があるわけではないので、これがストレスだという存在の定義があるわけでもないのです。

でも、ストレスという生体反応は確実に存在します。

様々な人に共通するストレスもあれば、特定の環境にいる人にだけ影響するストレスもあり、また、特定の人にしか影響しないストレスもあります。

ストレスについての反応は様々でも、ストレスを正しく理解することは、その後の付き合い方がより機能的になっていくものです。

ここで、ストレスを科学的に研究された、ハンス・セリエ博士のストレス学説からその理解をしていきましょう。

ストレス学説の提唱者であるハンス・セリエ博士は、ストレスについてこのように述べています。

「ストレスとは、エネルギーの発生状態である。周囲に起こった出来事に対して私たちの心身がその状態に適応しようとエネルギーを発生している状態をストレスという。」

ハンス・セリエ博士の発見

ハンスセリエ博士は、とってもユニークだった人のようで、学生時代に病院に来ている患者さんを診ていて、次のようなことに気づきました。

それは、ウィルスに感染している患者も、ケガをしている患者も、およそ病人にはすべて共通した特徴がある。

つまり、どんな病気であれ、病人は実に病人らしいということでした。言い換えれば、病人は、その病気になる以前に疲労困憊しているということです。

このことは、一見、当たり前のことで見過ごされがちなことでした。

しかし、セリエ博士は研究を続け、どんな病人にも、その病気になる前に共通した症状があることを突き止めたのです。

それは、

1、胃・十二指腸の潰瘍・出血

2、副腎皮質の増大

3、脾臓・胸腺の萎縮

の3つでした。

さらに、これらの症状は、からだが様々な刺激(ストレッサー)に適応しようとした結果だと解明しました。

そして、これらの症状を「一般適応症候群」=ストレス状態と命名しました。

ストレスはもともと物理学用語で「歪み」や「ひずみ」を意味しています。

その、歪みやゆがみが元に戻ろうとエネルギーが働いている状態がストレスなのです。

たとえば、真夏に照り続ける太陽の下にいれば、体温が上がって行きます。

しかし、それと同時に、汗をかいて、その気化熱で体温を調整しようという身体の働きが起こってきます。

このように生体が刺激に対応しようすると、心身にエネルギーが生じます。この適応エネルギーが発生している状態がストレスなのです。

ストレスは良いものでも悪いものでもありません

ストレスはエネルギーですから、程度があります。

そのストレスの程度のことをストレスレベルといいます。

適度なストレスレベルであれば、やる気が出て仕事の生産性も上がりますが、ストレスレベルが高すぎたり、その状態が長期間続くと様々な障害や症状が出てきます。

このことがストレスをときに悪者と見せてしまっている要因です。

しかし、ストレスは、今お話ししたように誰にでも備わった生体反応なのですから、よいも悪いもないのです。

また、ストレスと混同されがちなものに、困難な仕事やそれに伴うミス、嫌な上司や部下、仕事のノルマなどがあります。

これらは、ストレスそのものではなく、ストレスレベルを上げる要因で、ストレッサーと呼ばれます。

そして、ストレスレベルが高まると出てくる、心身のサイン、イライラや不安、動悸、肩こりなどは、ストレスサインと呼ばれます。

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自律神経専門治療院
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